名もなき偉人達
福岡滞在の最終日、ジュエリー展を見に行ってきました。福岡市博物館で開催されている『ヴェネツィアン・ビーズとコスチューム・ジュエリー展』です。
博物館の展示会に行くといつも思うのは『人間は退化している・・・』ということです。昔の技術がとてつもなく崇高に見えます。今回も100年も昔のビーズ作りの技が目を釘付けにしました。ひとつぶのビーズを作るのにどれだけの時間が、そして何より集中力がいるかと思うと目の前のネックレスの奥に途方もなく深い世界があるように見えます。
その中でも、わたしが思わず息を呑んだネックレスがありました。それはコンテリエと呼ばれるビーズでできたもので、そのビーズの大きさはなんとケシ粒大。1mmよりまだ小さいそのビーズが何千、何万と糸に通してあるのです。この小さい小さいビーズを糸に通すのはインピラレッサと呼ばれる糸通しの専門職の女性でした。何千回という同じ作業の繰り返しの中で、女性達は何を思っていたのでしょう。今では上質のコンテリエを作ることさえ難しいそうです。
ヴェネツィアンビーズは作り方によって分類されているのですが、その中に『指焦がし』という意味のビーズがありました。3~6mmほどのガラス玉に花柄や螺旋の模様などをほどこす技術です。職人がランプの火に指を近づけて作業するとき、過って指を火傷してしまうほど細かな作業なのですね。この技術も今では残っていないそうです。
ひとつのものを作り出すにはいくつもの工程を経て、作業が積み重ねられ、その世界は作られます。呼吸も忘れるほどの衝撃を与える仕事をしていた名もなき偉人達の姿を心に刻んで、わたしも製作の道を歩みたいと思いました。
福岡市博物館HP
http://museum.city.fukuoka.jp/
















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