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2014年8月 6日 (水)

年を重ねるということ

東京で師匠に出会い、ジュエリーを習い始め注文を頂くようになって、気が付くと15年になりました。
私の師匠は海のようにでっかい器の持ち主で『好きなものを作らないと上達しないよ~!』と言って、最初からほんとに自由に作品創りをさせてくれました。

その時々の興味や知識、そして自分の感情に合わせて作風も変化したように思います。

そして去年、ジュエリーのご注文で初めての依頼が舞い込みました。
それはご遺骨を納められるペンダントがほしいというご依頼でした。

今までこんな生き方をしたい、こんな理想を叶えたいというご希望のご注文を受けてきたので、死に想いを馳せるジュエリーのご注文に正直戸惑いました。
お受けできるかどうかを保留にしていただき、とにかく時間をかけて調べました。
カロートペンダント、メモリアルペンダント、ソウルペンダントなどいろいろな名前で作られている事、歴史、宗教、賛否の声。
そして形状、素材などジュエリーで可能な作り方など。
そして何度となく師匠に相談し、半年たったころに製法も心もめどがつき、「こういった形のものなら可能です」という提案ができることになりました。

その後、ご依頼主さまとお会いしてご希望を伺い、ペンダントを制作。
そして昨日、ペンダントにご遺骨を入れる納骨を行う事が出来ました。

お互いに「緊張しますね」と言いながら、ろうそくを灯し、ご遺骨に話しかけながら、無事に終了。
その後は、母が用意してくれたランチを食べながらゆっくりおしゃべりしました。
思い出を話しながら涙を流したり、笑ったり、言葉にできなかった想いを言葉にしたり、沈黙の中に共感の気持ちが通ったり。
わたしも祖母の話を聞いてもらったりして、とても静かで温かい時間が流れました。

今までの製作とはあきらかに違う意識でした。
わたし自身が自分の体の事、祖母の事、いろんな想いを重ねてきた今だから、天に任せてもらえた仕事のような気がします。

年を重ねることに一時期、絶望すら感じていましたが、このお仕事を進めていく中で、なんというか自分は確かに器を広げられているんだと感じました。
病気や死は人生の一部であり、どう生きたかがその人を表わすのだということが体感として自分の中に宿りました。
そして私が作るこのペンダントは悲しみを癒すだけではなく、故人の想いを未来に繋げる力をくれるものにしたいと思いました。

人生の残り時間は確実に減ります。
でも、その質は深く、広く、変化させることができる。
そのことを深く教えてもらったお仕事でした。

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